捧げものだったSuperstitious personの分岐。
暗め。
「ねえ青二才の鍛冶屋」
「グレイだって言ってるだろ」
「なんでさー。わざわざこんなことしてるの」
「わざわざって」
「だってさ、さっきのでもう十分じゃん」
「気持ちの問題」
そう言って今日二つ目のイヤリングを作っている。
そんなグレイを見て、クレアはぽつりと呟く。
「人って慣れるんだよね」
「はあ?」
「たとえば私」
新しいものに目を引かれ、好意を持たれた第一印象。
でも、それは恋なんかじゃない。
ため息がでそうになる。だけでださない。
片想いにも慣れてきた。
そんなクレアの内面には気がつかず、グレイは言う。
「だからこれは、なんていうんだろ? 信念?」
クレアはめんどくさいなと吐き出した。
ずいぶんと時間が流れた。
できたと彼がいう。
それをいつものようにクレアに渡す。
できたばかりのイヤリングはまだ熱を持っていて、でもすぐに冷めてしまうことをクレアは知っていた。
PR